コーチングがうまくいかない時には、
うまくいかない理由があります。
その主な理由は、2つです。
もしあなたのコーチングが
うまくいっていないとしたら、
この2つを見直し、意識することで
コーチングの力が飛躍的に高まるでしょう。
この記事では
コーチングがうまくいかない理由と
その具体的な改善方法について、
コーチングを行っている方が
自らのコーチ力を高めるために学ぶ、
心理学NLPの手法を使って
お伝えしていきます。
目次
1.なぜコーチングがうまくいかないのか?
コーチングがうまくいかない理由はいくつかありますが、一言で言えば「うまくいかないやり方をやってしまっている」ということです。
詳細は2章からお伝えしますが、前提としてコーチングの目的を再度確認していきましょう。
この目的がズレていると、どんなやり方を行ったとしても、なかなかうまくいかないことが続いてしまうのです。
コーチングの目的とは、「相手が自分の力で目的地に到達するサポートをすること」です。
もともとコーチとは、「何かをそこまで運ぶ」という意味があります。
つまりコーチングで大切なことは、何かを教えたりアドバイスを行うことではありません。
相手が達成したいと思う目標に対して、相手の中にはそのための能力がすでにあり、その能力が発揮できるサポートをするという意識を持つことです。
この意識を持たず、相手は未熟だから教えてあげようとしたり、そんな目標は無理だよと相手を評価したり、無理やり変えようとしても、コーチングはうまくいかないのです。
この目的が常に根底にあれば、後はうまくやり方を実践しくことで、すぐにいい変化が起きるのです。
2.コーチングがうまくいかない時、まず確認したい2つのポイント
この章ではコーチングがうまくいかない理由として、代表的な2つの項目について見ていきます。
2-1.ラポール(信頼関係)がない
コーチングがうまくいかない大きな理由の1つとして、相手とのラポールがないということが上げられます。
ラポールとは、心理学で相手との信頼関係のことを指します。
容易に想像できるかと思いますが、信頼関係がない相手から自分の悩みや目標を聞かれたときに、素直に話したいと思う人はいないでしょう。
「この人は私の悩みや目標、夢を話しても批判したり、馬鹿にしたりしない。しっかりと聞いてくれる。安心できる。」と感じることで、話をしてみようと思うのです。
また他にも、企業内コーチングを行う場合、その内容が上司や会社に報告されないことが最重要になります。
内容が上司や会社に伝わり、「あいつはこんな不満を言っている」等と思われたり、自分が不利になると感じる状況では、安心して話しをすることはできません。
そこで、上司・部下という関係性ではない、利害関係のない他部署の人と行うなどして、話の内容をその2人の間だけで保持し、誰にも言わないという安心できる環境を作る必要があるのです。
2-2.アドバイスや、ティーチングになっている
コーチングがうまくいかない理由として、アドバイスやティーチング(教えること)になってしまい、相手があなたに対して違和感を感じてしまうことも挙げられます。
なぜなら、相手が話しているのに評価や判断をしたり、話を被せたり、求めてもいないのに勝手にアドバイスやティーチングをしてしまうと、
相手がそれ以上話せなくなったり、相手の思考を奪い、最終的には、「自分のことを分かってくれていない」と感じさせてしまうからです。
そうなるとコーチに対する信頼は無くなり、関係性が崩れたり、コミュニケーションもスムーズに取れなくなり、コーチングがうまくいかないと感じることに繋がります。
既にお伝えしましたが、コーチングの目的は「相手が自分の力で目的地に到達するサポートをすること」です。
大切なスタンスとして「そのための力は既に相手の中にあり、まだ気づいていなかったり、発揮できていないだけ」という考え方でクライアントと向き合うようにします。
3.うまくいかないコーチングを改善する方法
この章では、コーチングを飛躍的に改善するために、心理学NLPを使った方法をお伝えしていきます。
3-1.必須!ラポールを築く
コーチングを成功させるために最も重要なことは、相手とのラポール(信頼関係)を築くことです。
相手とのラポールが築けると、「この人は信頼できる」と思ってもらうことができます。
そして悩みや、やってみたいことなどを安心して話してくれるようになります。
この章では、ラポールを築くための具体的な方法を3つお伝えしていきます。
3-1-1.ミラーリングとマッチング
この章ではラポールを築くために、心理学NLPでお伝えしているスキル「ミラーリング」と「マッチング」についてお伝えします。
この2つのスキルは一言でお伝えすると「相手に合わせる」ということです。
私たちは、共通する部分があると自然と相手に親近感を感じ、信頼関係が生まれやすくなる生き物です。
例えば、初対面の人が同じ県や町の出身であったり、趣味が同じであったり、自分が好きなブランドの服を着ている人を見ると親近感を感じ、安心します。
つまり、お互いが似ていると感じると無意識に信頼関係が生まれやすくなるのです。心理学では類似性の法則と呼ばれます。
この効果を使い、相手の表情や身体の動き、姿勢等、目に見えるものを意識的に合わせていくスキルが「ミラーリング」です。
また、相手の話すスピードや声の大きさ等、目には見えないものを意識的に合わせていくスキルが「マッチング」と呼ばれるものです。
コーチングセッションにおいては、クライアントが笑顔の時はコーチも笑顔になったり、クライアントが前のめりに座っている時は同じように前のめりに座ります。
また、クライアントの話す声が小さいときは、コーチも声を小さくしたり、話すスピードがゆっくりの時は同じようにゆっくり話すように心がけます。
このように相手に合わせることで「この人といると何か安心する、話しやすい」と無意識レベルで感じてもらうことができ、早い段階でラポールが築けるのです。
3-1-2.バックトラッキング
この章ではラポールを築くために、心理学NLPでお伝えしているスキル「バックトラッキング」についてお伝えします。
バックトラッキングとは「相手の話の一部を繰り返すこと」です。
例えば、クライアントが「上司との関係がうまくいかずに困っているんです。」と話した時に「上司との関係に困っているんですね。」のように返します。
このように相手の言葉をそのまま使い(自分の言葉に置き換えず)、その一部を繰り返すことで、相手からは一切「違う」という反応が出ず、「そうです」という反応が繰り返されます。
心理学ではこのことをYESセットと言います。
この「そうです」という反応が繰り返されると、クライアントは「この人は私のことを分かってくれている」と感じるのです。
その結果、ラポールが築かれていくのです。
3-2.相手の中にあるものを引き出す
コーチングを成功させるために必要なことは、コーチングの目的である「相手が自分の力で目的地に到達するサポートをすること」に徹することです。
そのために必要なことは、「的確な質問」をしていくことで、相手の世界観を知り、何より本人も気づいていない、可能性や能力を引き出していくことです。
その「引き出す」ために使える具体的な6つの質問例をご紹介します。
こちらは、心理学NLPをベースとしていて、相手の中にある気持ちや考えなどを引き出すのに有効な質問です。基本的には、以下の順番で聞いていきます。
<NLPコーチング6つの質問>
- ①今回扱いたい、目標や問題は何ですか。
- ②手に入れたい理想の状態は何ですか。
(理想の状態を達成した時の気持ちや、見える景色、声を具体的にイメージしてもらい詳細を聞く) - ③その目標を達成したり、問題を解決するために、既にあなたが持っているものや能力はなんですか。
- ④理想の状態を止めているものがあるとすれば、それは何ですか。
- ⑤理想の状態を達成することは、あなたにとってどんな意味がありますか。さらにその先にどんな未来が待っていますか。
- ⑥理想の状態になるために、24時間以内にできる具体的な初めの一歩はどんな行動ですか。
以上の6つの質問をしていくことで、相手が自分で、目標設定や問題解決のための具体的な方法を、自分の中から引き出すことができます。
実際の過去のクライアントの返答事例もご紹介します。
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①今回扱いたい、目標や問題は何ですか。
直属の上司との関係がうまくいってません。
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②手に入れたい理想の状態は何ですか。
(理想の状態を達成した時の気持ちや、見える景色、声を具体的にイメージしてもらい詳細を聞く)上司との関係を良くして、働きやすい環境を作りたいです。
上司が笑顔で話してくれ、「〇〇さんがいてくれて助かる」という言葉を掛けてくれて、とても嬉しいし、やりがいを感じます。
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③その目標を達成したり、問題を解決するために、既にあなたが持っているものや能力はなんです
こうしたらいいのにという自分の考え。相談できる前の部署の上司。
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④理想の状態を止めているものがあるとすれば、それは何ですか。
言ったら怒られるんじゃないか、マイナスの評価になるんじゃないかという気持ち。
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⑤理想の状態を達成することは、あなたにとってどんな意味がありますか。
さらにその先にどんな未来が待っていますか。仕事が楽しくなって成果が出るし、給与も増えてプライベートも充実する。自信がついて、人にも優しくなれる。
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⑥理想の状態になるために、24時間以内にできる具体的な初めの一歩はどんな行動ですか。
今週のミーティングで、議題を提案します。その準備を明日の午前中に終わらせる。
といったものです。
この質問のポイントは、理想の状態をイメージの力で詳細に確認する部分で、こうすることで本当に達成したい目標を明確にできます。
その上で、さまざまな内面に関する質問をすることで、もともと自分の中にあるものが引き出されたり、自分で決めたことになるため、納得感もあります。
その結果、「やってみよう」というモチベーションが高く保つことができ、実行にも移しやすくなるため、問題解決や目標達成がしやすくなります。
この質問は、NLPコーチングでよく使われるもので、既にコーチングを行っている方が、この質問例を身に着けることで、
飛躍的にコーチング力が上がったり、クライアントの反応が非常に良くなったというお声を頂くことも多いものです。
4.コーチングがうまくいかない根本原因
2章や3章でお伝えした内容はクリアしているけれど、それでもコーチングがうまくいかないときや、安定していい反応をクライアントから頂けていないときは、
クライアントが抱えているネガティブな原因が関係しているかもしれません。この章で詳しく見ていきましょう。
4-1.クライアントの心のブレーキを外せていない
ラポールも築けた。クライアントの話もよく聞き、クライアント自身で目標も設定できた。
それなのに、なかなか目標達成できなかったり、問題が繰り返し起きてしまう。
このような時には、クライアントの中にある、本人も忘れてしまっているようなネガティブな心のブレーキが邪魔をしている可能性が高いです。
このネガティブなブレーキは多くの場合、本人も覚えていないような幼い時の、周囲の大人からの言葉がけやネガティブな出来事が、トラウマのようになってしまっているのです。
例えば、学校の教室で何か発表したときに言い間違えてしまい、クラスのメンバーから笑われたことで、人前で話すことが苦手になったり、
幼い時に失敗して親から「〇〇ちゃんならできたのに。なんであんたはできないの?」と人と比較されたことで「自分はダメな人間なんだ」と思い込みます。
目標に向かおうと決めても、心の奥底では「自分はダメな人間。だからできない」とブレーキが掛かってしまっている可能性があるのです。
その場合は、心理学でビリーフと言われる、こうした思い込みのブレーキを外す根本的な解決が必要になります。
4-2.心のブレーキを外す具体的な方法を持つNLPコーチング
3-2の質問をしても、相手のネガティブな思い込みが外れない場合は、そのネガティブな思い込みを根本から変化させる必要があります。
多くの場合、そのような思い込みは幼い頃の体験が原因となっており、心の根深いところに張り付いてしまっている可能性があるのです。
そのような思い込みを外す方法の1つとして、心理学NLPを元にしたNLPコーチングがあります。
心理学NLPはセラピーやカウンセリングの分野からスタートした学びであり、NLPコーチングでは、一般的なコーチングのスキルに加え、このような心のブレーキを外すことができる具体的な方法も学べます。
あなたがNLPコーチングを学ぶことで、きっと他のコーチとも差別化ができるようになるでしょう。
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まとめ
この記事では、コーチングがうまくいかない時にまず見直したい2つの理由と、心理学NLPを使った改善方法についてお伝えしてきました。
コーチングの目的である「相手が自分の力で目的地に到達するサポートをすること」を大切にし、相手の可能性を信じること。
そして、クライアントが望ましい状態へ向かっていくための能力はすでにあると考え、その能力を発揮するためにサポートに徹することが大切でした。
さらに一般的なコーチと差をつけるNLPコーチングについても、お伝えしてきました。
この記事がコーチとしての力をさらに高めるきっかけになれば嬉しいです。