- 初めて合う人と直ぐに打ち解ける
- 相手が抵抗なく伝えた通りに動いてくれる
- あの人の話は、心に響く
このような成果を出している人には、
実はある共通の秘密があります。
その秘密が、ラポールです。
もともとは心理学用語であり、
一般的には信頼関係と訳されます。
この記事ではビジネスそして、
あらゆる人間関係で大前提となる
ラポールのメリットから、
ラポールを素早く深く築くために、
効果的な方法。
そして、人を説得し、動かす伝え方まで
普段、NLP心理学を教え、
NLPを使ったコーチングセッションを
行っている著者の視点から
お伝えしていきます。
目次
1.ラポールとは
ラポールとは、相手との信頼関係という意味で使われます。
もともとは心理学用語であり、カウンセラーと患者の間にできる、リラックスし、安心した状態から様々な感情を言えるような状態の関係性のことを表します。
お互いの心と心を繋ぐという意味から、架け橋を意味するフランス語からラポールと名付けられました。
2.ラポールがもたらすメリット
ラポールとは人との信頼関係であり、ラポールが高まることのメリットは非常に多岐に渡ります。
例えば、
- 初対面の相手との会話が滞りなく進む
- 相手から早い段階で信頼して貰える
- 伝えたいことがスムーズに伝わる
- 抵抗なく相手に動いて貰うことができる
- 色んなタイプの人とのコミュニケーションが円滑になる
などです。
ラポールをより素早く築けるようになることで、コミュニケーションがスムーズにとれるようになり、長期的な信頼、そしてビジネスでの成功を手に入れられます。
さらには、家族や友人との関係も良好になるため、人生がさらに豊かになるのです。
3.ラポールを作り出すための秘訣
冒頭でお伝えしたように、人とすぐに仲良くなれたり、人と信頼関係を作り出すのが得意な方には、実はある共通点があります。
コミュニケーションのゴールデンルールと言えるものです。
それは、まずは「相手に合わせること」です。
なぜ、合わせることが大切なのでしょうか。
それは、私たちは相手との共有点があると、自然と親近感を感じ、無意識レベルでラポールを築く生き物だ、ということが関係しているからです。
そして、そのように感じる理由は、私たちの脳にあります。
脳の中でも特に脳幹と言われる部分は、原始脳とも言われ、生命維持装置とも言われています。
これは、太古の昔の恐竜も持っていた機能であり、例えば草食恐竜が自分と同じ姿の恐竜を見ると、安心感を感じ、仲間だと思います。
一方で、自分と全く違った姿の肉食恐竜を見た時には、この脳幹が働き、生き残るために「戦う」か「逃げる」かといった反射的な反応をするのです。
つまり、「相手に合わせる」ということは、相手と似た要素を意図的に作り出すことです。
そうすることで、無意識レベルで相手に安心感を感じさせることができ、信頼関係を築く土台を瞬時に作り出せます。
ところが、ややもすると私たちは、相手に合わせるよりも、相手との違いに視点を向け、勝手に「合う」「合わない」を決め、そのままにしてしまいがちです。
この直観としての「合う」「合わない」は、生きていく上で大切でもありますが、
もしあなたが意図的により多くの人と人間関係を良くしたいと思うのであれば、まずは相手に合わせることが大切です。
また、相手に合わせるということは、自分の意見等を無くすことではありません。
初対面の人や、誰かとラポールを築くためにはまず、相手の世界観を尊重し、知ること。それが相手に合わせるということなのです。
4.ラポールを意識的に作り出す3つの手法<入門編>
この章では、心理学NLPでお伝えしている、意識的にラポールを作り出す方法をご紹介していきます。
その秘訣は「合わせること」でした。
ここではその入り口となる、入門編として3つの手法をご紹介します。
4-1.見えるものを合わせる、ミラーリング
まず1つ目は、ミラーリングです。
ミラーリングとは鏡のように、見えるものを相手に合わせることです。
例えば、表情、姿勢、身振り手振りといったものです。
相手が笑顔であれば、自分も笑顔になる。相手が真剣な表情であれば、こちらも真剣な表情にするといった具合です。
また、やってしまいがちなのが、相手が腕や足を組んでいないのに、こちらが組んでしまう。
部下が仕事の報告で、こちらに体を向けて話しているのに、自分はパソコンの画面を見て、体を横に向けて話を聞く等です。
このような見えるものが合っていない状態が長く続くと、「あの人とは話がしづらい」や「あの人は私の話に興味がない」といったメッセージを無意識レベルで伝えてしまいますから、注意が必要です。
4-2.見えないものを合わせる、マッチング
次に、マッチングです。
これは、目では見えない、話すスピードや大きさ、声のトーンなどの話し方を合わせることです。
例えば、自分が比較的早口な方だったとき、相手の話すスピードが遅いと、相手の話を待たずに話を被せてしまったりします。
また、それとは逆に自分は比較的ゆっくり話すタイプの場合、相手の話すスピードが早いと、何を言っているかわからないと思い、イライラしたりします。
他にも、声の大きさが相手より大きすぎると、威圧感を与えてしまったり、逆に小さすぎると相手が聞き取れずイライラしたり、聞き返されたりします。
ラポールを築くためにやはり大切になってくるのは、相手に合わせることです。
そのため、特に最初は意識して、話すスピードまたは、声の大きさを合わせると効果的です。
これだけでも、相手からのあなたに対する印象は大きく代わり、ラポールが素早く築ける可能性が高まります。
4-3.言葉を合わせる、バックトラッキング
入門編の最後として、言葉を合わせるバックトラッキングをご紹介します。
言葉を合わせるというと、難しそうに感じるかもしれませんが、このバックトラッキングは相手の言った言葉の一部をそのまま返すだけなので、非常に簡単にできます。
例えば、
「1年後に、収入が今が2倍になって、毎日楽しく過ごしたい」
と発言した相手に対し、
「1年後に収入を2倍にしたいのですね」
「毎日楽しく過ごしたいのですね」
このように、相手の発言の一部を返していきます。
これらは、相手が発したことをくり返しただけなので、「そうそう」「そうなんだよ」という、YESの反応しか出ません。
これが繰り返されることで、相手は自分のことをわかってくれているという感覚になりやすいもの。
つまり、相手の話を聞くときには、このバックトラッキングを使うことで、相手とのラポールを築きやすくなるのです。
そして、これらのスキルを使うことの最大のメリットがあります。
それは、合わせるために「相手を観察する」ことです。
相手を観察できるようになることで、相手の表情の変化や、言葉に対しても敏感になり、相手に合わせることがスムーズに行えるようになります。
すると、相手にあわせたコミュニケーションができるようになり、営業やマネジメント、コーチング能力も上がるという好循環が生まれやすくなるのです。
5.さらに、ラポールを深める方法<中級偏>
ここからは、ラポールを築くための中級編としてさらに、人が無意識に使う言葉の内容に合わせるスキルをご紹介していきます。
5-1.相手の五感に合わせるVAK言語
私たちには、利き手がありますが、私たちが日常使う言葉にも、実は利き手のようなパターンが存在しています。
そのうちの一つが、五感の優位性というものになります。
NLP心理学では、五感を「視覚」「聴覚」「体感覚(嗅覚・味覚・触覚を合わせて)」と3つにわけてVAK「V(Visual)/A(Auditory)/K( Kinesthetic)」と表現しており、
例えば、ハワイの海を表現するとき、
・V優位の人は、「綺麗な青い海」や「夕日の鮮やかさ」のように、目で見たものを表現することを好みます。
・A優位の人は、「波の音」や「心地いいハワイアン音楽」のように、耳で聞いたものを表現することを好みます。
・K優位の人は、「暖かい海」や「心地いい風」のように、体で感じるものを表現することを好みます。
以上のように使う言葉に違いが現れるのです。
それぞれのタイプに対して合わせる方法として、例えば、ビジネスで「今年の目標について」考えて貰う時、
- V:目標達成したときのイメージは?
- A:目標達成するとどんな称賛の声が聞こえそう?
- K:目標達成するとどんな感覚になりそう?
と聞き方を変えるだけで、相手とのラポールが築きやすくなり、モチベーションアップにもなります。
また、ご自身のタイプにご興味のある方は、こちらの診断ツールをご活用ください。
↓
5-2.コーチングや1on1などで使える、LABプロファイル
私たちは、5-1.でご紹介したVAK以外にも、世の中の出来事を無意識で自分のパターンに変換して話していることがわかっています。
心理学NLPでは、言語学者ノーム・チョムスキー氏が1957年に発表した「変形文法」という博士号論文をもとに、
ビジネスや日常で使える14カテゴリー37のパターンにまとめた「LABプロファイル」を使って、相手に影響を与え、説得する言語スキルが学べるようになっています。
例として、「方向性」というカテゴリーには、2つのパターンが存在します。
この2つは、「目的志向型」「問題回避型」となります。
それぞれの特徴として、
目的志向型 |
やる気になるには「目標」が必要。目標に向かっていくことが得意。優先順位の高いものに集中しつづけることができる |
問題回避型 |
やる気になるには「解決すべき問題」が必要。問題から遠ざかろうとし、問題の処理や解決が得意 |
ということが、あげられます。
自分のパターンを知るために、ビジネスにおける年初の1on1面談において、次の2つのうち、自分が言われてしっくりくる方はどちらの言い方か、感じながら読んでみて下さい。
- A:「今期の目標を達成して、より多くの賞与を獲得しよう。そうすることで、次の目標達成に弾みがつき、昇進も手に入れることができるよ」
- B:「目標未達を避けるためにどうしたらいいか、問題点を振り返って問題を取り除いていこう。そうすることで、チームのみんなの信頼を失うこともないし。昇進についても心配しなくて済むよ。」
いかがだったでしょうか。
Aがしっくりきたという方は、ビジネスにおいて目的志向型であり、Bがしっくりきたという方は、ビジネスにおいて問題回避型ということがいえるでしょう。
そして、注意したいのが私たちは普段自分のパターンで話してしまうため、
自分のパターンと違う人から、「この人の話はしっくりこない。合わない」と感じさせてしまっているということです。
そこで、相手のパターンを知り、相手に合わせた言葉を必要な時に意識的に使うことで、相手に響き、モチベーションまであげることができるようになります。
この章では、中級編として2つご紹介しましたが、初級と中級そして、さらに相手に合わせる上級スキルとして、催眠言語といったものがあります。
このメディアサイトの運営を行っているNLP-JAPANラーニング・センターでは、今回ご紹介したスキルなども含めて、
人が気持ちよく動きたくなるような効果的なコーチングスキルを、「NLPプロフェッショナルコーチ認定プログラム」にて提供しています。
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最後に
この記事では、ラポールについてお伝えしてきました。
ラポールとは相手との信頼関係のことでした。
相手とのラポールをより早く、より多くの人と信頼関係を築き上げるためには、まずは相手に合わせることが効果的なのです。
そして、合わせることの入り口として、ラポールスキルをまず使っていきましょう。
その中で、相手をよく観察することに慣れることで、相手とのいい関係性を長期にわたって築くことに繋がるのです。
この記事がコミュニケーションをより円滑に進め、ビジネスや人生の高い成果に繋がるヒントになればとても嬉しいです。