自己効力感の低さがあらゆる場面で
問題や障害を引き起こしてしまうことに、
あなたもお気づきかもしれません。
自己効力感の低さが原因で
下記の5つのような悪影響を及ぼしています。
- 物事に対してのモチベーションが低下
- 積極性の低下
- 自己評価の低下
- 不平・不満が多くなる
- 目標をあきらめやすくなる
自己効力感が低いことで起きる
マイナスな影響と、もうお別れをしたいと
思う方も多いでしょう。
今回の記事では、
自己効力感を決める要因と低い人の特徴、
また3章で自己効力感の低い状況から脱し、
自己効力感を高めていく4つの方法を
ご紹介していきます。
自己効力感を高めることは、
きっとあなたの人生を
好転させる支えになりますから、
ぜひ最後までお読みください。
目次
- 1.自己効力感の低さを決める4つの要因
- 1-1.達成経験の有無や、挫折経験への反応(直接的達成経験)
- 1-2.他人との比較から得られる優位性・類似性(代理経験)
- 1-3.周囲から得られる評価やポジティブな言葉(言語的説得)
- 1-4.心身の状態(生理的・情動的喚起)
- 2.自己効力感が低い人の特徴/人生に与える影響は?
- 2-1.自己効力感が低い人の特徴
- 2-2.自己効力感の低さが人生に与える影響
- 3.自己効力感を高めるための方法4つ
- 3-1.「直接的達成経験」からのアプローチ:小さな成功体験を積み重ねる
- 3-2.「代理経験」からのアプローチ:他者の成功を真似て、イメージ上の体験を積む
- 3-3.「言語的説得」からのアプローチ:ポジティブな言葉を言い聞かせる
- 3-4.「生理的・情動的喚起」からのアプローチ:心身のバランスを保つ
- 4.自己効力感があなたの人生を好転させる支えになる
1.自己効力感の低さを決める4つの要因
自己効力感とは、「自分ならできる」と信じることができる感覚のことです。
この章では自己効力感を提唱した、
アルバート・バンデューラ氏が発見した、
【自己効力感を決める4つの要因】についてご紹介します。
この4つが自己効力感を高くも低くもしていく要因です。
3章では、これらの4つの要因を踏まえた、自己効力感の高め方をお伝えします。
1-1.達成経験の有無や、挫折経験への反応(直接的達成経験)
自己効力感の高低に影響する一つ目の要因は、過去の「達成経験」です。
達成経験が多いと、自己効力感を高くすることができます。
過去に困難なことを克服し、目標達成してきた経験があると、次に同じような困難が起きても「自分ならやれば出来るんだ」と自信を持てます。
このように自信が高まることで自己効力感を高く持つことが出来るのです。
一方で失敗経験が多いと、自己効力感が低くなるわけではありません。
失敗経験に対して、どう自分が反応をするかによって自己効力感が低くなるかが決まります。
例えば、元プロ野球選手でメジャーリーグという世界最高峰の舞台で大活躍をし、世界一の安打数という大記録を残したイチロー選手はこう言いました。
「4,000のヒットを打つには、僕の数字で言うと、8,000回以上は悔しい思いをしてきているんですよね。」
世界一の結果を残したイチロー選手も多くの失敗をバネにして、成功を掴むことが出来ました。
つまり、失敗経験の多さが自己効力感を低くしてしまう原因ではありません。
失敗をした時に、自分の能力を否定してしまうことが、自己効力感を低くする原因なのです。
1-2.他人との比較から得られる優位性・類似性(代理経験)
自己効力感は、自分自身の達成経験だけではなく、第3者の成功体験からも影響を受けています。
これには「類似性」と「優位性」の2つの側面があります。
- 類似性:あの人が出来るなら、自分にも出来そう
- 優位性:自分のほうがあの人よりもいい結果を残すことが出来る
つまり、他人との比較でも、自己効力感の高低を決めているのです。
自身の知識不足や経験不足によって他者との間に劣等感や差を感じてしまうと、自己効力感を低くしてしまうのです。
1-3.周囲から得られる評価やポジティブな言葉(言語的説得)
自己効力感の決定には、周囲から得られる言葉も影響しています。
例えば、「周りから褒められてきた経験」や「与えられる高い評価や期待」があれば、自己効力感は高まります。
不安に思っていたことも周りの人から「あなただったら出来る」と言われると、何だか出来るような気持ちになりませんか。
一方で、周囲からの非難の言葉や、批判等のマイナスな言葉は自己効力感の低下に影響します。
まとめると下記です。
褒められる → 自己効力感は上がる
貶(けな)される → 自己効力感は下がる
このように、周りの環境も自己効力感の高低を決定することに大きな影響を持っていますから、どんな環境に身を置くのか考えていくことも重要です。
しかし、これは他人に依存をしていく関係になってしまう可能性もあります。
それを防ぐために、自分自身の言葉で自己効力感を高めていく方法を3章でご紹介いたしますので、ぜひお読みください。
1-4.心身の状態(生理的・情動的喚起)
「心身の状態」は自己効力感を左右する要素の一つです。
心身の不調が、自己効力感を低下させることに繋がります。
例えば、緊張すると、お腹を下したり、汗をかいたり、手が震えたり等、身体の不調につながることはありませんか。
すると、いつも出来ていることが出来なかったり、不安をより感じる等のことを通して、自己効力感を低下させるのです。
反対に、緊張や不安がなければ身体の状態は安定します。
結果的にパフォーマンスが高くなることで自己効力感を高めていくことが可能です。
このように、心と体の状態は、その時の自己効力感に対して大きな影響を及ぼしています。
また少し前まで「自分なら達成できる」と高い自己効力感を持てていたとしても、些細な出来事や不安などの気持ちの変化によって自己効力感を下げてしまうケースもあります。
ですので、心と体をいつも通りの状態に保っていける方法を、それぞれ持っておくことが重要です。
(参照元)激動社会の中の自己効力 アルバート・バンデューラ(編集),本明 寛(訳)
2.自己効力感が低い人の特徴/人生に与える影響は?
2-1.自己効力感が低い人の特徴
一般的に自己効力感が低い人の特徴として下記が挙げられています。
【自己効力感が低い人の特徴】
- 不平、不満が多い
- 失敗を過度に恐れている
- 自信がない
- 他人の意見に必要以上に影響を受ける
- 行動する前から努力することをあきらめる
- 能力を過小評価している(自己評価が低い)
【なぜこのような特徴を持つのか?】
自己効力感が低い人は、「自分には出来ない」という考えを根底に持っています。
そのため、感情・行動・自己認識の側面からこのような特徴を作り上げます。
『感情面』
自分には出来ないという気持ちがあるため、失敗への「不安」を感じやすいです。
そして、出来ないと思っているのに行動しなくてはならない「ストレス」など、ネガティブな感情を強く持ちます。
ネガティブな感情を強く持つからこそ、周りへの不平不満が多かったり、失敗を過度に恐れていくようになります。
『行動面』
自分には出来ないという感情が、モチベーションの低下や、行動する意欲、積極性の低下に繋がっています。
また自分自身の行動や選択に対して「本当にこれでいいのか」と自信を持てません。
そのため、自分で決断をした行動を行うことよりも、他者が決めたことに依存をしたり、必要以上に影響を受けることに繋がっています。
『認識面』
自己効力感が低い人は、自分の能力や、適正があっても「自分には出来ない」という感情を持ってしまいます。
つまり、自分に対して過小評価をする傾向があるのです。
「自分には出来ない」という思い込みが、「挑戦や困難なことに対してネガティブなイメージ」を持たせ、行動する前から「自分は出来ない」という予測をしてしまうことに繋がっているのです。
2-2.自己効力感の低さが人生に与える影響
自己効力感が低いままでいることの弊害は、人生で「悪いパターンを繰り返してしまう」という影響が出ることです。
自己効力感が低いことで起こる行動や思考は、くり返すことで、無意識に刷り込まれた「パターン」となっていきます。
そしてそれは、望んでいなくても、目標達成や自分を高めていく過程で、問題や障害になります。
例えば、下記のようなパターンです。
- 積極性が低いパターン
- 自分を過小評価してしまうパターン
- 挫折を引きずってしまうパターン
- 努力を途中で諦めてしまうパターン
- 失敗を恐れてしまうパターン
あなたにも、気づけばくり返してしまっている、というパターンはありませんか?
こういった無意識に刷り込まれてしまったパターンは、意図せずにくり返されていきます。
意識的に改善をしていかなければ、一生悪いパターンをくり返してしまうと想像がつくでしょう。
3.自己効力感を高めるための方法4つ
ここまで、自己効力感の低さが及ぼす、ネガティブな影響についてご紹介しました。
ここからは、1章でご紹介した自己効力感の決定要因に基づいて、自己効力感を高めていく4つの方法をお伝えします。
3-1.「直接的達成経験」からのアプローチ:小さな成功体験を積み重ねる
直接的達成経験からのアプローチとして、
「小さな成功体験を積み重ねる」方法をご紹介します。
自己効力感を高めていくためには、「自分は出来る」という感覚を持てることが重要です。
最初のステップとして、小さな成功体験を積み重ねていくことを実践してみてください。
もちろん大きな目標や困難な出来事を始めから達成することが出来るのであれば、それだけ自己効力感を高めていくことに繋がります。
ですが、いきなり大きな目標を叶えられる人は少ないことでしょう。
イチロー選手が4000ものヒットを積み重ねてこれた背景にも、基礎を徹底することや体調管理をしていくこと等、やはり小さなことの積み重ねがあるのです。
また筆者自身も、英語学習や受験勉強をしていた際には、朝起きたら10分間単語帳を開くことをマイルールとしていました。
その積み重ねで、500点だったTOEICのスコアを、1ヶ月半で750点まで伸ばすことができた経験があります。
自分との小さな約束を叶えられたことや、知識不足・経験不足を少しずつ解消していくことで、「自分なら出来る」と自己効力感を高めていくことが出来ました。
大きな目標をいつか叶えていく自信を持つために、まずは自分との小さな約束から叶えていくことがオススメです。
3-2.「代理経験」からのアプローチ:他者の成功を真似て、イメージ上の体験を積む
代理経験からのアプローチとして、
「他者の成功を真似て、イメージ上の体験を積む」方法をご紹介します。
これは、イメージトレーニングに近い方法です。
他の身近な人の行動を見て、あたかも自分が体験をしているかのようにイメージをしていきます。
イメージ上での成功体験も、「自分なら出来る」という自己効力感を高めていくことに役立つのです。
主なやり方は、下記の2つの方法があります。
- 他者の成功体験の観察と分析を行い、成功するプロセスを真似ていく
- 他の人が辿ってきた成功の過程を、想像上で模倣し、成功した疑似体験をしていく
なぜ、想像上の疑似体験が、自己効力感を高めていくのに「効果的」なのか?
脳はイメージと現実を区別できないと言われているためです。
これは自己効力感を高めていく上で、非常に効果的に働きます。
①「問題を先に体験出来る」
想像上の疑似体験の中で、困難や障害に直面した状態や、困難が起きた時のストレス反応を事前に作り出すことが出来ます。
その問題に対して、どのような解決策があるのかを考えていきます。
そうすることで、実際に問題に直面したとしても、「これなら出来る」と自己効力感を高め、冷静に対処していくことが出来るようになるのです。
②「成功体験を事前に積める」
他者の成功体験の背景にある行動も、イメージで疑似体験をしていくことが出来ます。
成功に至る方法を、繰り返し想像上で体験し、「これなら出来る」という感覚まで落とし込むことが重要です。
他者の行動を全てイメージ上で体験をすることは、難しいと思われるかもしれません。
全てをいきなり真似ようとするのではなく、小さく部分的な行動から真似ていくことがオススメです。
例えば、営業の話術を真似ようとすれば、うまくいっている人の方法を観察し、出来るところから模倣してみる。
そしてそれを想像上でも繰り返し行動に落とし込めるように、体験をしていくことは、疑似体験の一つです。
このように、疑似体験は現実とは異なる状況でも、自己効力感を高めていくことに役立つのです。
3-3.「言語的説得」からのアプローチ:ポジティブな言葉を言い聞かせる
言語的説得からのアプローチとして、
「ポジティブな言葉を自分に言い聞かせる」方法をご紹介します。
もちろん、自分で言い聞かせなくても、他の人から「褒められる」「認められる」「励まされる」言葉を、ほしい時にもらえるのであれば、この方法は不要です。
しかし、そういった方はほとんどいないと思います。
ですので自分にかける言葉をポジティブに変え、自分の言葉で自己効力感を上げていくことがオススメです。
2章でご紹介した自己効力感が低い人の特徴の中から、下記の3つを取り上げて、どのようなポジティブな言葉を言い聞かせることが出来るのか、一例をご紹介します。
2章でご紹介したように、自己効力感が低い人は以下のような特徴があります。
- 不平、不満が多い
- 失敗を過度に恐れている
- 自信がない
- 積極性が低い
- 他人の意見に必要以上に影響を受ける
- 行動する前から努力することをあきらめる
- 能力を過小評価している(自己評価が低い)
もしも、自分がこのような状態になってしまっていると気づいたり、ネガティブな言葉を自分に投げかけてしまっているなと気づいた時は、ポジティブな言葉に変換していきましょう。
一例をご紹介します。
【状況】
出来ない理由や、やらない言い訳をしてしまっている時【ポジティブな言葉】
今、出来無いのは慣れてないだけだから大丈夫。
続けていれば必ず出来るようになるよ。
【状況】
失敗をした後の周りの目線や非難の声が怖い【ポジティブな言葉】
失敗は成功のもとだよ。
失敗をしない人はいないし、失敗をするから何が今の自分に足りないのかが分かるんだよ。
もう少し、諦めずに頑張ってみよう!
【状況】
過去の成功体験が少ないから、自信が無いと感じる【ポジティブな言葉】
過去は変えられないけど、未来は変えられるよ。
未来の自分も、「自信が無い」と言って、ネガティブなままでいたいかな?
未来の自分が出来るようになっているように、今挑戦してみようよ。
このように、ポジティブな言葉を自分に投げかけていくことが、自己効力感を高めていくことに繋がります。
この「ポジティブな言葉を言い聞かせる」方法を使っていくためにも、まずはどんなネガティブな言葉を使っているのか、自分のパターンに気づくことも重要です。
3-4.「生理的・情動的喚起」からのアプローチ:心身のバランスを保つ
生理的情動的喚起からのアプローチとして、
「心身のバランスを保つ重要性」についてご紹介します。
自己効力感はその時の気分や体調によって、上がったり下がったりします。
例えば、体調がよければ当たり前のようにできていることも、体調が悪ければできない時もあります。
それが要因で自信を失い、自己効力感を下げる可能性があるのです。
また、心がポジティブな状態であれば、目標に対して「自分は出来る」という感覚を持つことができ、自己効力感も高まります。
心がネガティブな状態であれば、自分は出来るという感覚を持てず、自己効力感は低くなってしまいます。
そのため、自己効力感を高く持つ、または高めたい場合には、心や身体の状態を整えていくことが重要です。
当たり前のことほど、大事にしていきましょう。
身体の健康を保つ
食生活が乱れている場合や、睡眠不足を繰り返しているのであれば、改善していきましょう。
まずは身体の健康を保ち、身体の不調を理由に、自己効力感を下げてしまわないようにしていきましょう。
心の健康を保つ
まずはストレスや、ネガティブな感情を抱いている心の状態に気づきましょう。
心の健康を妨げる要因は様々あります。
例えば、ストレスや、過去のトラウマ、傷つく言葉を言われる、安心感を持てない等があります。
「なぜネガティブな感情を抱いているのか」その要因を見ることと、「心理状態をコントロールする方法」を見つけておきましょう。
NLPという心理学は、別名『脳と心の取り扱い説明書』とも言われ、自分の感情をコントロールしたり、過去に受けた心の傷などのように、自分をネガティブな状態に落としてしまう要因を、解消させていく方法がたくさんあります。
こうした心理学の学びを通して心の変化に気づき、心の不調をどうしたら元通りに回復出来るのか、自分に適しているやり方を見つけていくことをおすすめします。
(参照元)激動社会の中の自己効力 アルバート・バンデューラ(編集),本明 寛(訳)
4.自己効力感があなたの人生を好転させる支えになる
ここまで、自己効力感が低いことの原因、人生に与えるマイナスな影響と自己効力感を高めていく方法についてお伝えしましたが、いかがでしたか。
自己効力感を高めていくことは、必ずあなたの人生を好転させる支えになります。
なぜなら自己効力感が高まると、自信を持った行動や、積極的な行動が取れるようになり、「自分なら出来る」と自分を信じられるようになるからです。
これまで諦めてしまっていたことも、「やれば出来る」と自分を信じて一歩を踏み出せるようになったり、目標を達成することも、もっとモチベーション高く取り組めるかもしれません。
自分と向き合い、自分を変えようと行動したことを、心からよかったと思えるようになるでしょう。
そのためには、積み重ねも大切な要素ですから、3章の自己効力感を高めていく方法から、何か一つでも、自分のためにコツコツと実践してみてください。
あなたにとって、この記事が役立つことになれば、嬉しく思います。
今回ご紹介した自己効力感をはじめ、「心や内面に関する学び」は自分を高めていくためには欠かせません。
このサイトを運営しているNLP-JAPANラーニング・センターでは、心理学NLPを中心に、心の傷を癒やすセラピーの手法や、目標達成を加速させるNLPコーチングの手法などを専門的に学べる環境をご提供しています。
記事の中でお伝えをした以上に、心の状態は行動や、その先の結果に密接に影響していきます。
内面についての理解を深めたいと思われる方や、NLPにご興味のある方は、無料レポートをダウンロードしていただくか、人気の「NLP体験講座」にご参加ください。
また、ご自身だけではなく部下や、友人、ご家族の方など、目の前の方の心の状態を変え、より良い成長を促していきたい場合の学びとして、『NLPコーチング』があります。
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